予算オーバーしない! 注文住宅を建てる時の予算の決め方
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注文住宅を建てるとき、陥りがちなのが、予算オーバー。夢の家を建てようと、あれもこれも…と希望を入れてしまい、見積りはあっという間に予算をオーバーしてしまうことは珍しくありません。今回は、注文住宅を建てるときの予算の決め方やポイント、予算別にできること・できないこと、そして予算オーバーしない方法をご紹介します。注文住宅を検討している人は、ぜひ参考にしてください!
■目次
- 予算はどうやって決めるの?
- 注文住宅の予算別 できること・できないこと
- 注文住宅購入予算、上物以外にかかる費用は?
- 注文住宅の予算で陥りがちなのが、予算オーバー
- 予算がオーバーしそうな時の、費用の削り方、抑え方
予算はどうやって決めるの?
注文住宅の購入を考えたときに、まず先に決めなければならないのは予算です。予算を決めることで、できること・できないことがわかり、メーカーに概算見積りを取ることができます。
予算を出したいときは、年収から計算する方法があります。一般的に、住宅購入にかけられる費用は、年収の5〜7年分と言われています。例えば年収が500万円であれば、住宅購入にかけられるのは2500万円〜3500万円ということになります。
このうち頭金は、およそ2割以上とされています。住宅の価格は、「購入時にかかる金額(諸経費・頭金)」と、「購入後にかかる金額(住宅ローン・住宅維持費)」の合計金額。「貯金はいくらある?」「頭金はいくら払える?」「そもそも土地はあるのか?」「家具は新しく買うのか?」などもふまえ、年収と貯蓄の状況から予算をたてて、上物にいくら費用がかけられるかを計算しましょう。
注文住宅の予算別 できること・できないこと
それでは、「自分の予算でどんなことができるの?」と疑問をお持ちの方に、上物の予算別にできることをご紹介していきます。
予算2000万台でできること
予算2000万円の場合は、注文住宅だからと、希望をたくさん入れることは難しいかもしれません。この予算帯は、もっとも予算オーバーしやすいようです。そのため、「どこにお金をかけるか」を決めて、メリハリのある住宅にする必要があります。
たとえば「キッチンはこだわって、あとはシンプルにする」、「バルコニーを広くしたいから、部屋の間取りにはこだわらない」など、こだわる部分と、そうでない部分を分けましょう。
予算3000万台でできること
全国の注文住宅の平均的な建築費用は3000万円台。平均的な広さ(30坪~40坪)と設備の住宅を建てられるのが、この予算でできることです。この予算の場合も、どこにお金をかけるか、メリハリをつけると良いでしょう。
例えば「外観にはこだわり、内装はシンプルに」、「リビングの内装は無垢材・漆喰などこだわりのものを使い、ほかの部屋は安価な素材にする」などです。すべての希望を入れるのは難しいにしても、家族でよく話し合ってプランを立てれば、理想の住宅が立てられるはずです。
参照:住宅金融支援機構 「フラット35利用調査2018年度調査結果」
予算1000万〜1500万 予算を抑えるポイントは
注文住宅の建築費用は、2000万円〜と言われているので、この予算では注文住宅にするメリットがあまりないかもしれません。凝った内装にするのは難しく、間取りもシンプルになります。
ただ、ハウスメーカーによっては予算を抑えられるように工夫してくれるところもありますし、たとえ間取りや内装がシンプルでも、インテリアにこだわったりすれば、自分らしい家を建てることができるかもしれません。予算が少なくても諦めず、まずはハウスメーカーに相談してみると良いでしょう。
予算5000万〜6000万 どこに力を入れるとおしゃれにできるか?
建築費用だけで5000万円以上あれば、こだわりを詰め込んだ高級住宅が建てられます。
リビングを広くして贅沢な空間にしたり、書斎やシアタールームをつくったりするなど、趣味の空間を持っておしゃれな生活を楽しむのもおすすめです。
またエクステリアにもこだわって、建物だけでなく、外観・景観も含めて考えてみてはいかがでしょうか。
注文住宅購入予算、上物以外にかかる費用は?
上物以外にもかかる費用があるのをご存知でしょうか? 一般的に「坪単価」と表現されているのは、主に「建物本体工事費」であることが多く、実際には解体や地盤調査、引っ越し代に至るまで、様々な費用が上乗せされることとなります。合計すると大体500万〜1000万程度になりますが、中にはそれ以上の金額になることもあります。ここでは中でも、割合が高いものをご紹介します。
土地ありか? 土地込みか?
注文住宅を建てるには土地が必要です。土地込みで注文住宅を販売していることもありますが、土地がない場合には、新たに探して購入する必要があります。場所によって価格が違うので、まずは自分が住みたいエリアの土地の価格を調べてみましょう。土地を探す場合は、建築をお願いする予定のハウスメーカーや工務店に紹介してもらう方法もあります。
外構、建物以外
注文住宅の場合は、外構費用がかかります。外構とは門、塀、テラスなど、建物以外のエリアの工事です。外構の費用は建築費用全体の10%未満が一般的となっています。建物の工事とは別になりますので、建物の工事が終わってひと段落してから工事を始めるケースもあるようです。
水回りの費用。キッチンはどこまでやるか?
水回りのキッチン、トイレ、洗面、お風呂は、設備のグレードを上げると高くなります。
例えばキッチンの場合、ハウスメーカーの標準仕様だと50万円〜60万円です。アイランドキッチンにする場合や、高級キッチンメーカーのキッチンを入れたりする場合、またパントリーを作ったり、オーブンなどをビルトインにする場合など、こだわりを持つほど費用が上乗せされます。
平均的な住宅であっても、計100万円以上かかることも珍しくはないようです。
家具や照明にかかる費用も
家具や照明も忘れずに予算の中に入れましょう。なるべく予算を建築費に使いたい場合、家具は今使っているものを上手に残して、少しずつ買い直していく方法もあります。ただしカーテンは、ほとんどの場合が買い直しになるので、カーテンの予算は考えておく必要があります。
照明は標準になっているものと、そうでないものとがあります。標準で付いてくる照明以外に別につけたい場合は、オプションとしてつけることになります。後からつけると工事費が高くつくので、建築前に工務店やメーカーと良く相談して決めておくのがおすすめです。
諸費用も忘れずに
注文住宅を購入する際、忘れてはいけないのが諸費用です。主に登記、住宅ローン関係、解体費用、地盤調査、地鎮祭、測量、引っ越し費用などです。建て替えの場合で仮住まいが必要な場合は、賃貸を借りるための費用も必要です。
諸費用の中でも特に費用がかかるのは、住宅ローン関連費(保証料や火災保険など)。3000万円のローンを組む場合、100万円以上かかることもあるようです。
注文住宅の予算で陥りがちなのが、予算オーバー
全国の注文住宅の予算相場は、3000万円台と言われています。つまり、一つの目安として、上物に3000万円以上の予算があれば、平均的な住宅を建てられると考えて良さそうです。
しかしどの予算帯であっても、注文住宅を検討する際、一度は予算オーバーになってしまうようです。
家族の意見を全て取り入れようとすると、なかなか予算内には収まらず、頭を抱える人がほとんどです。予算オーバーになりがちなポイントとしては、「予算を抑える方法を知らない」ことが挙げられます。
予算がオーバーしそうな時の、費用の削り方、抑え方
予算を抑える方法は、実はたくさんあります。例えば、床面積を小さくしたり、窓の大きさを小さくしたりするだけでも、予算を抑えられることをご存知でしょうか? ハウスメーカーや工務店は、住宅のプロなので、予算を抑えるノウハウもたくさんあります。
注文住宅を建てるときに大切なのは、ハウスメーカーや工務店への「伝え方」。家族の希望をしっかり伝え、それ以外のところでどの部分の費用が抑えられるか、相談してみましょう。思っていることを伝えられず、作り手にお任せしてしまうと、できあがってから「こんなはずじゃなかった…」となりかねません。
そのためにも信頼できる、相談できるハウスメーカー、工務店を選ぶのが、最初の一歩と言えるかもしれません。こだわりや希望をしっかりと持ち、作り手に伝えること、相談にちゃんとのってくれて、いろいろなアイディアを出してもくれるパートナーを選び、夢の住宅を建てましょう!
(記事内容 監修:一級建築士 河嶋 一志)