2025年4月より建築基準法が改正されます

更新日:コラム

2025年4月より建築基準法が改正されます

今日は2025年4月から施行されることが決まった、「46条壁量規定」の変更について。
簡単に言うと、木造建築の「壁(柱)」が今の基準よりも「増える」ことが決まりました。

この改正により、2025年4月以降に建築(厳密には建築確認申請)する木造建築では、
今まで以上に、広いリビングや大きな窓のある設計が難しくなってきます。

でも私たちビルド・ワークスで建てている、SE構法による木造建築では、
2025年4月以降も、今までと何も変わらず、大空間、大開口の設計を行うことができます。

今日はその様なことも含めて、今回の法改正についてお話しをさせていただきます。


一般的な木造住宅の設計において、必要な壁量等の計算方法としては、

1)許容応力度計算 / 許容応力度等計算(構造計算により安全性を確認する方法)
  →ビルド・ワークスも全棟で採用している、SE構法は全てこの構造計算によって安全性の確認を行なっています。
2)壁量計算(簡易に壁量を確認する方法)

と大きくは2つの方法があり、どちらの計算方法でも、建築確認申請を取得し、
建築を行うことが出来ます。

またどちらの計算方法でも、品確法に基づく、「耐震等級(1〜3)」の認定を受けることができ、
耐震等級2以上の住宅については、「長期優良住宅」の認定を受けることが可能となっています。

※耐震等級1:建築基準法で定められている最低限の耐震性能を満たす水準
 ・数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度=阪神・淡路大震災や2016年4月に発生した熊本地震クラスの揺れ)に対しても倒壊や崩壊しない
・数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度
※耐震等級2:耐震等級1の、1.25倍の地震に耐えられる性能・耐震強度の水準(現行の長期優良住宅の基準)
※耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられるだけの性能・耐震強度水準

しかし、2016年に起きた、熊本地震の震度7において、耐震等級2の長期優良住宅で建築された住宅が、倒壊してしまうという事例が起きてしまいました。

この事件とも言える事例から検証され分かったことは、
「許容応力度計算(構造計算)」によって認定を受けた耐震等級2の長期優良住宅と、
「壁量計算(簡易的な計算)」によって認定を受けた耐震等級2の長期優良住宅とでは、
強度の実態としては大きく違うものとなってしまっている、ということでした。

そして、倒壊してしまった住宅は「壁量計算」による長期優良住宅でした。

更に現行の建築基準法を基準に、構造計算と壁量計算でそれぞれ計算された、「耐震等級1〜3」を比較すると、
下記のような強度順となってくることもわかってきました。

このようなことから、今回の法改正では、「壁量計算」によって確認を行う場合の基準が大きく変更されることととなりました。

具体的には、2025年4月以降に建築する新築木造については、今の設計基準よりも壁の量が、「約1.6倍」多く必要となってくることとなりました。

この改正によって、今まで通りの簡易的な壁量計算での設計では、
木造住宅では、大きな窓や大きな吹き抜け、大きなリビング空間を安全に設計する、
ということが非常に難しくなりました。

また、今まで一般的に木造建築で使われていた、「105mm角」の柱についても大幅に使える設計に制限が掛かり、
新基準では、「120mm角」が木造住宅の標準寸法となっていくと予想されます。

よく中古住宅の購入を検討する際に、「新耐震基準」の物件、と「旧耐震基準」の物件、
という言葉あり、これは「1981年6月」に大きく耐震基準が変わったことがあり、
この日よりも後に建てられた建物の方が安全性が高い可能性が高い、ということで、
実際の中古市場での販売価格にも反映されているケースが多いのですが、
今回の法改正により、「2025年4月」以前か以降かで将来的な資産価値への影響も予想されます。

それだとこれから建てる人は、2025年4月以降に建てるべきなのか、という訳ではなく、
新しい基準は決まりましたので、
今から新基準に適合する建物を設計し建築すれば大丈夫、ということです。

それでは、ビルド・ワークスの家はどうなのかというお話しですが、
ビルド・ワークスでは今回の法改正でも変更にならない、

「許容応力度等計算(構造計算)」

による、「SE構法」での設計と建築を「20年以上前」より行なっておりますので、
今までに建てさせていただいたお施主様もご安心ください。
※柱も全て120mm角以上!

そしてこれからもこのSE構法で、今までと変わることなく、

「大空間・大開口」で気持ち良く暮らせる、
「安全・安心」な設計と建築を造り続けていきます。

BUILD WORKs
設計士 / 河嶋